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メキシコ(2020.5月中旬以降~)やら、国際協力やら、日本語教育やら、読書記録やら…を綴るブログ

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トヨタの真似をしても上手くいかないと嘆いている安易な発想の管理者が『❝JIT生産❞を卒業するための本』


世の中に出版されている数多のトヨタ生産方式関連の本のほとんどは、
トヨタの生産工場で採用されている「かんばん」、「あんどん」等の
仕組みの解説に終始するものが多いけど、そんなシステムを理解して
導入したところで、利益改善効果が得られると思ったら大間違いです。


なぜならば、製品特性や需要変動性、サプライチェーンとの関係性や
力関係、生産管理体制等の内外部の環境がトヨタとは異なるからです。


トヨタ生産方式とは、まずそこにはトヨタの経営理念や哲学があって、
それをトヨタを取り巻く市場環境やビジネスモデルの中で形にしたら、
「かんばん」や「あんどん」になりましたってだけの話にすぎません。


もしトヨタが車ではなくマヨネーズなり紙のメーカーだったのならば、
「かんばん」や「あんどん」は今とは別の仕組みになってたはずです。
ですから、「かんばん」や「あんどん」の仕組みを理解したとしても
それが適用できるのは、トヨタだけと思っておいた方がいいわけです。


トヨタ生産方式を採用している会社には、そんなことも理解できずに
安易に導入したため、逆効果になっているところが少なくありません。


本書は、そんな残念な経営者やトヨタ生産方式の生産責任者に対して、
トヨタ生産方式がなぜトヨタで機能するのかを詳細に説明しています。


僕に言わせれば、トヨタ生産方式ってのはトヨタの歴史そのものです。
豊田佐吉の自動織機に始まり、喜一郎の自動車開発、挙母工場の爆撃、
ドッヂ不況による経営危機、石油危機による省エネ法と排出ガス規制、
日米自動車貿易摩擦、工販分離と合併、米公聴会出席、東日本大震災

これらの歴史の中で生まれたのが、トヨタ経営の「核」となっている
トヨタ綱領」であり、トヨタ生産方式に他ならないわけですからね。