「ひらめき」の構造に今から80年も前に気付いていたジェームス・W・ヤングの『アイデアのつくり方』
1940年に書かれた古典的名著として名高い本書。
アメリカの広告代理店で敏腕を振るった著者が、
長年にわたる広告制作の活動を通して見出した、
アイデア作成のベースとなる2つの一般原理と、
アイデアが作られるために必要な5つの段階を、
実践的かつ具体的な事例を用いながら説明する。
アイデア作成の5段階のうち特に画期的なのは、
第3段階の<孵化段階>なのではないだろうか。
アイデア作成のこの第3段階に達したら、問題を完全に放棄して何でもいいから自分の想像力や感情を刺激するものに諸君の心を移すこと。音楽を聴いたり、劇場や映画に出かけたり、詩や探偵小説を読んだりすることである。(P48)
右脳の活性化によって促されるひらめきの秘密。
既存の知識と新しい知識との新しい組み合わせ。
諸君が実際にこれら3つの段階で諸君のすべきことをやりとげたら、第4の段階を経験することはまず確実である。どこからもアイデアは現れてこない。それは諸君がその到来を最も期待してない時に諸君を訪れてくる。(P49)
今でこそ、最先端の脳科学の研究によって、
「ひらめき」を生みだす時の脳の状態と
ボーっとしている時の脳の状態はすごく似ている
ということが解明されてきているわけだけども、
ジェームス・W・ヤングは今から80年も前に、
その事実に気が付いていた。というわけだから。