中間管理職に告げる。官僚主義的な煩わしい業務から直ちに部下を解放せよ!!そして″優秀な″管理職になれ『仕事は楽しいかね?2』
前作『仕事は楽しいかね?』でマックスから教わったことを実践してみると、トントン拍子に昇進し、数十人の部下を抱えるまでに出世を果たすことができましたが、
毎日やっていることと言えば、部下にあれやこれや指示を出したり、へまをした部下の尻拭いしたり・・・・そんなことで明け暮れる日々。
─────こんなことのために出世したかったわけじゃない。
中間管理職という悩み。
<私>は再びマックスに相談してみることにします。
『仕事は楽しいかね?2』
最高の人が働くのにふさわしい最高の場所
企業にとって、優秀な人材とはどのような人のことでしょうか?
- 上司にいちいち指図されなくても、自ら考えて行動してできる人。
- 信頼できて、管理する必要がなく、上司の手を煩わせない人。
- 組織をより高いレベルに引き上げられる人。
- 独創的な考え方が出来る人
- 新たな行動規範を打ち立てられる人 などなど・・・・
では、
”ほんもの”の人材を集めるためにはどうすればいいのでしょうか?
人材を募集する時に、高い給料や待遇を提示すれば、企業が求める”ほんもの”の人材を採用することができるのでしょうか?
マックスは言います。
本当の意味で優れた人材が何を求めているかを把握してしまえば、彼らを雇うのに多額のお金なんて必要ないことがわかると思うよ。(P21)
”ほんもの”の人材は共通して、次のものを職場に求めると言います。
- 自由
- 変化
- チャンス
自由───優れた上司は、常にお役所的な体制と戦っている
部下は、以下のような上司を”いい上司”と考えます。
- 信頼してくれる上司
- お役所主義から解放してくれる上司
- いちいち干渉しない上司
上司は、以下のような部下を”いい部下”と考えます。
- やるべきことを自分よりもよくわかっていて、求めるべきものを、彼/彼女のほうから教えてくれる部下
- 彼/彼女のすることにはなんの心配もいらない部下
つまり、上司も部下も互いに管理する/されることから解放されたいと考えているわけです。
指図ではなく信頼するんだ。信頼に書類は必要ない。(P32)
部下のパフォーマンスが最大限に発揮できるような職場環境をつくるのは管理職の仕事。
ですから、
優秀な上司は、お役所的な環境だったり、官僚主義的な煩わしい手続きによる不自由から部下を解放してやり、優秀な部下を惹きつける職場をつくる必要があるのです。
2.変化───優秀な部下は多くの可能性を示す
”ほんもの”の部下が職場に求める2つ目のものは「変化」です。
彼らは常に「何かが起こること」を期待し、問題が起こった時などには、素晴らしい力を発揮するものです。
部下がのんきに構えていれば、それ変化を与える合図だ。(P80)
彼らにとって、マンネリや同じことの繰り返しの毎日は苦痛以外のなにものでもありません。したがって優秀な上司は、彼らを退屈させない環境に置く必要があります。
私はその人の能力より少し上の仕事をさせます。のんきに構えてなんかいられないところに放り込むんです。お気楽な雑用係など、必要ありませんから。(P80)
また、部下の中には、自分の才能に気づいていない人も少なくありません。彼ら/彼女らの才能を引き出し、気づかせてあげられることも、優れた上司の資質と言えます。
言うなれば、最初は部下として”優秀”と言えなくても、育て方を熟知した指導者から刺激を受けることで優れた部下になっていけるということだね。(P85)
3.チャンス───きわめて優秀な部下は決まって起業家タイプ
”ほんもの”の部下が職場に求める最後の1つは「チャンス」です。
優れた部下というのは目立ちたがり屋なんだ。自分の能力の高さを知っていて、それを証明するチャンスをねらっている。力を試せる場に出たいと思っている。(P97)
きわめて優秀な部下は、決まって起業家タイプだ。新しいプロジェクトを次から次へと考えださなければ、彼らの関心をつなぎとめておくことはできない。(P97)
そして、その企業にチャンスを感じることができれば、たとえ条件が良くなくても、”ほんもの”の人材は集まると言います。
なぜでしょう?
それは、優秀な人材は次のように考えるからです。
給料よりもっと大切なもの、つまりチャンスと変化が得られることをね。この上司のもとでなら、きっとチャンスに恵まれる、収入ならあとからついてくると信じられるんだ。(P60)
最高の仕事は人間同士の結びつきから生まれる
互いに管理する/管理されることを嫌い、互いに高め合える優秀な上司と優秀な部下。仕事の価値観を同じくする上司と部下が一緒になることの強みは、
互いに助け合える関係が構築できるところ─────
実際、有能な上司と部下が手を取り合うと何がすごいって、上下関係が一切なくなって、一つになることなんだ。(P91)
マックスはそういった上司と部下の関係のことを”同盟”と呼びます。
優れた上司と部下の同盟は才能の結びつきであり、その絆の多くは生涯切れることがない。(P174)
─────それが上司と部下との理想の関係。
仕事は楽しくなきゃだめだ。職場から笑い声が聞こえてこなければ、きみのやり方は間違っているということだろうね。(P195)