魔女の予言に唆され最期まで幻影・妄想に振り回された<無敵>の暴君『マクベス』
ヘエエエイ、マクベース!
ヘエエエエイ、マクベース!
3人の魔女の予言に唆され、
自分の地位を失う恐怖から不安分子を次々に排除していく。
(マクベス)「驚くことはない。いったん悪を始めたからには、悪を重ねること以外、強くなる道はどこにもないのだ」
しかし、罪悪感と猜疑心から次第に不安に蝕まれていく。
不安から逃れたい一心で、再び魔女の予言を受けるマクベス。
(第一の幻影)「マクダフに気を付けろ」
(第二の幻影)「女から生まれた者が、マクベスを傷つけることはない」
なら、マクダフも女から生まれてないわけはないから怖れることはない。
(第三の幻影)「マクベスは敗れない、バーナムの森が攻めてくるまでは」
森が攻めてくることもあり得ない。
マクベスの安泰はゆるぎないものとなったかに思われた────
(マクベス)「雑兵どものわめく声は、いつもいつも「敵が来た、敵が来た!」。バカ者どもが。この城が落ちるものか。敵がいくら包囲して攻め立てようと、屁でもない。笑いとばしてやるばかりだ」
(マクベス)「もうこれ以上、報告などいらん。逃げたいやつは、みな逃がしておけ。バーナムの森がダンシネインに押し寄せてくるまでは、おれは怖れもたじろぎもせんからな」
(使者)「陛下、見たと思うところをご報告せねばなりませんが、どう申し上げればよいのか・・・・」
(マクベス)「いいから、言え」
(使者)「丘に立って、見張りについてバーナムの森の方を見たところ、とつぜん森が動きだしたような気が────」
妄想が生み出す惨劇
シェイクスピアの作品の中でもひときわ陰惨な悲劇
『マクベス』
かかってこい、マクダフ!
先に「待て」と叫んだやつが地獄堕ちだ!