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魔女の予言に唆され最期まで幻影・妄想に振り回された<無敵>の暴君『マクベス』

 

マクベス (光文社古典新訳文庫)

マクベス (光文社古典新訳文庫)

 

 

ヘエエエイ、マクベース!

ヘエエエエイ、マクベース!

 

 

の訳で有名な安西徹雄訳『マクベス』(光文社古典新訳文庫

 

 

3人の魔女の予言に唆され、

ダンカン王を暗殺し、スコットランド王となったマクベス

 

 

自分の地位を失う恐怖から不安分子を次々に排除していく。

 

 

マクベス)「驚くことはない。いったん悪を始めたからには、悪を重ねること以外、強くなる道はどこにもないのだ」

 

 

 

しかし、罪悪感と猜疑心から次第に不安に蝕まれていく。

 

 

不安から逃れたい一心で、再び魔女の予言を受けるマクベス

 

 

 

(第一の幻影)「マクダフに気を付けろ」

(第二の幻影)「女から生まれた者が、マクベスを傷つけることはない」

 

 

なら、マクダフも女から生まれてないわけはないから怖れることはない。

 

 

 

(第三の幻影)「マクベスは敗れない、バーナムの森が攻めてくるまでは」

 

 

森が攻めてくることもあり得ない。

 

 

マクベスの安泰はゆるぎないものとなったかに思われた────

 

 

 

 

マクベス)「雑兵どものわめく声は、いつもいつも「敵が来た、敵が来た!」。バカ者どもが。この城が落ちるものか。敵がいくら包囲して攻め立てようと、屁でもない。笑いとばしてやるばかりだ」

 

 

マクベス)「もうこれ以上、報告などいらん。逃げたいやつは、みな逃がしておけ。バーナムの森がダンシネインに押し寄せてくるまでは、おれは怖れもたじろぎもせんからな」

 

 

(使者)「陛下、見たと思うところをご報告せねばなりませんが、どう申し上げればよいのか・・・・」

 

 

マクベス)「いいから、言え」

 

 

(使者)「丘に立って、見張りについてバーナムの森の方を見たところ、とつぜん森が動きだしたような気が────」

 

 

 

妄想が生み出す惨劇

 

 

シェイクスピアの作品の中でもひときわ陰惨な悲劇

 

マクベス

 

 

 

かかってこい、マクダフ!

先に「待て」と叫んだやつが地獄堕ちだ!