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神が定めた残酷な法則に支配された世の中で困難に抗う人々の姿を描いた漫画版マルサス『人口論』

 

人口論 (まんが学術文庫)

人口論 (まんが学術文庫)

 

 

すべての生物は、神が定めたある法則に支配されている

 

マルサスの『人口論』には2つの前提条件がある。

  1. 食糧は人間が生存するために必要
  2. 男女の性欲は必然で将来も変わらない

 

この前提から導き出される法則は─────

 

”人口は等比級数的に増加するが、食料は等差級数的にしか増加しない”

 

ということ。

 

つまり、生殖本能によってネズミ算式に増えうる人間に対して、

米や小麦、家畜が育つ土地は有限であるため、食糧は足し算でしか増えないということ。

 

 

そして、人口の増加力と土地の生産力が釣り合わなくなったときに─────

 

 

  生活資糧をめぐる搾取・強奪・・・殺人・・・堕胎・・・間引き・・・果ては戦争・・・

 

 

人間は「悪徳」と「悲惨」を生みだして、人口増加を抑制する。

 

 

 

─────それこそが「人口の原理」。

 

 

 

 

「人間は「人口の原理」による悪徳と悲惨の社会に永遠に支配される。永遠に」

 

 

 

「あなたは・・・・・・残酷だ」

 

 

 

しかし、人間を「個」ではなく「集団(マス)」として捉えれば、「人口の原理」に対する考え方も変わってくるのではないか?!

 

 

 

「人間はもともとなまけ者です」

 

 

もし人間の住む場所がずっと飢えも寒さもない楽園だったら、我々は何もせずにずっと未開人のままでいたのではないか

 

 

 

人間の悪徳だけじゃなく、干ばつや伝染病・・・地震など様々な問題が、もともとなまけ者の人間を肉体的に困窮させたことにより、知的好奇心が刺激され、発展してきた人類の歴史

 

 

 

それこそが、「必要は発明の母」という偉大な心理

 

 

 

「人口の原理」に支配された残酷社会でも、希望はとめどなく人の心に生じる

 

 

そう。

 

 

「人口の原理」に由来するこの世の悪は、人を絶望させるためにあるのではない。

 

 

 

 

─────行動させるためにあるのだ。

 

 

 

この世の悪にただ耐えるのではない

悪をなくすために最大限の努力をすることが

すべての人間の義務である 

(トマス=ロバート・マルサス