人生を成功に導くのは、しなやかな『MINDSET』だった
- 作者:キャロル・S・ドゥエック
- 発売日: 2016/01/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
生まれたときから優れた人間なんて誰もいないんです。
天性の能力で苦労もせずに成功した人なんてひとりもいません。
成功した人は、みんなめちゃくちゃ努力をしてるんです。
じゃあ、めちゃくちゃ努力して成功できる人はどういう人かっていうと、
それは、しなやかなマインドセットをした人なのです。
しなやかなマインドセットの人は、自分を向上させること(成長)に関心を向けるため、
うまくいかないときにこそ、粘り強い頑張りを見せます。
しかし、硬直したマインドセットの人は、成功することにしか関心がないため、
自分が他人からどう評価されるかを常に気にし、失敗すると心に大きな傷を負い、
それを乗り越える手立てを見つけることができません。
本書では、スポーツ、ビジネス、つきあい、教育の4つの分野において、
硬直したマインドセットの人としなやかなマインドセットの人を、実例を挙げて解説。
たとえば、スポーツ界においては、
硬直したマインドセットの典型的な人物は、ジョン・マッケンローで、
しなやかなマインドセットの典型的な人物は、マイケル・ジョーダン。
ビジネス界では、
硬直したマインドセットの代表的な人物が、クライスラーのリー・アイアコッカで、
しなやかなマインドセットの代表な人物が、GEのジャック・ウェルチ。
本書は少し冗長なところもあるけど(特に前半)、
硬直マインドセットのマッケンローみたいに審判に暴言を吐くのではなく、
試合で負けた後、何時間もシュート練習をしたしなやかマインドセットのジョーダンみたいに、
粘り強く読み続ければ、後半にかけて示唆に富むところもなくはない。
って、マッケンローも十分偉大な選手だけどな!!
さあ、窓を開け放して、新鮮な空気を入れよう。硬直マインドセットの世界にいると息がつまってくる。(P184)
しなやかなマインドセットの経営者は、人間の、自分の、そして他者の、潜在能力と成長の可能性を信じるところから出発する。そして、自分の偉大さを証明する舞台として会社を利用するのではなく、自分と従業員、そして会社全体が成長していく原動力としてそれを活かす。(P185)
ウォーレン・ベニスはこう述べている。状況に乗り、状況に振り回されるばかりで、どこへも向かうことができないボスが多すぎる。そのような人はボスにはなれても、リーダーにはなれない。リーダーとは、組織への忠誠を云々する人ではなく、目的地への旅----人々が力を合わせて学びながら進む、よろこびに満ちた旅ーーーーについて語れる人である。(P185)
ウェルチは本物の自信とはどういうものかを学んでいった。「何事にもオープンな姿勢を保っていられること、変化を積極的に受け入れ、新しいアイデアを、その出所に関係なく取り入れられる勇気」こそが真の自信なのだ。(P188)
ガースナーはどうやってIBMにそのような社風を創っていったのだろう。まず、ウェルチがしたのと同様に、社内の上下のコミュニケーション経路を開いた。就任6日目に、IBMの社員全員に次のようなメールを送っている。「これから数カ月かけて、私はできるだけ多くの事業所やオフィスを訪問するつもりです。そして可能なかぎり大勢の社員のみなさんと会って、会社を強くする方法をともに語り合いたいと思っています」(P193)
集団浅慮とは、集団の全員が同じ考え方をするようになって、異論を唱える者や批判的な立場を取る者がいなくなり、その結果として、集団が非常に危険な意思決定を下してしまう現象をいう。それは硬直マインドセットのせいである場合が少なくない。(P201)
人びとが天才的な指導者を盲目的に信じるようになると、集団浅慮に陥る可能性がでてくる(P202)
「全員がこの決定に全面的に賛成のようですね。この件は、次回のミーティングまで持ち越しましょう。時間をおいて反対意見が出てくるのを待つと、この決定がどういうことなのかがもう少しわかってくると思います」(GMの元CEOアルフレッド・スローン)(P203)
人間の脳はまだ神秘に包まれており、知能や脳の働きについてはわかっていないことがたくさんあります。知能と言うと、人間には頭の良い人、普通の人、悪い人がいて、一生そのままだと思っている人が大勢いますが、最近の研究では、そうではないことがわかってきました。脳は筋肉と同じく、使えば使うほど性能がアップするのです。新しいことを学ぶと脳が成長して頭が良くなっていくことが科学的に証明されています。(P312)
新しいことを学ぶと、実際に、このような脳内の微小な結合の数が増え、結びつきも強くなります。頭を使って勉強すればするほど、脳細胞が成長するので、以前はすごく難しかったことやできるわけがないと思ったことが簡単に思えてきます。それは脳の性能がアップしたからなのです。(P312)
「あなたは自分の脳の世話係なのよ。正しい使い方をすれば、脳の成長を助けてやることができるわ」(P313)
自分の脳は自分で作っていくものなのだ。(P316)
ちょっと引用が過ぎたか